キーウィとプケコの金融投資講座 手法構築編② 疑うことは美しい(手法の評価)
前回のおさらいをしよう。時代の流れはfast like light!寿司だって、いつの間にかカリフォルニアロールさ!ってことだったね。
つまり、取引手法の構築はランダムウォークするマーケットに微かに存在する確率的揺らぎを極大化させることから始まる。しかし、その前に構築した手法を正確に評価できなければならない。ということだね。
そうだ!まず前回の図だが、平均損益301円に対して標準偏差が4,382円、シャープレシオは0.069だ。シャープレシオの逆数は14.5程度なので、約300円の儲けに対して14~15倍のぶれが出るわけだ!手数料はとりあえず無視して良い。どう思う、キーウィ?
うーん、手数料抜きにしても、ちょっとぶれ幅が大きすぎないかな?
甘いぞ!キーウィ!!シンプルな戦略だったらシャープレシオはこんなもんさ。時と場合によるけど、僕の個人的感覚だと0.1もあればいいね。これを複数組み合わせることにより・・・いや、この話はまだ早いな。
(甘いのか~。家に帰ったら舐めてみよう。)
とにかくだ!キーウィの一番ダメな態度は、この数字を前提として思考を開始したことさ!まず、この数字が正しいのか疑うことから始めないと。だいたい世の中だってそういう風になってるじゃないか!
えーっ!?そんなに疑ってばかりじゃ、性格が曲がっちゃうよ!
キーウィ!僕たちは学校にいるわけじゃないんだ。事象に対しての正しい態度は、「気づかない<気づいて憤慨する<気づくが口に出さず手札にする」に決まってるだろ。
うーん。じゃあ、この数字は間違ってるってこと?僕を騙そうとして。ひどいな、プケコ、ぷんぷん。
いや、数字自体は正しい。ただ、注意すべき点は、①サンプル数の大きさと、②サンプル抽出の際の偏りだ。まず、①のサンプル数だが、これも個人的感覚になるが、最低でも数百回以上の試行は欲しい。
うーん、今回の例については、サンプルサイズの観点は満たしていると言っていいのかな。ただ、サンプルは多ければ多いほど信頼できるというのは感覚的に納得がいくよ。
そうだ。ただ、②サンプル抽出の際の偏りはどうだ?今回のグラフは2013年から2014年の株価だぞ。アベノミクス全開で、どんな株でも買えば儲かったんじゃないかな?
・・・確かに。今回の手法は株価上昇時のサンプルしか取れていない。もし、株価下降局面に今の手法を適用したら。どうなるんだろう?右肩下がり、もしくは上下にぐちゃぐちゃかもしれないね。
もちろん、「株価上昇時に儲かる」などの手法もある。でも、今回の手法で、僕たちが基底にしているストーリーは「高安ブレイク」だ!それ以外の要素はできるだけ排除したい。
なるほど、数字の信頼性に関する注意点は分かったよ。他には?
そうだな。①最大ドローダウンと、②ピークの最長更新間隔、③決定係数くらいは注意しといた方がいいだろう。図で示すとこんな感じだ。
確かに、一時的にでもドローダウンが大きかったり、更新間隔が大きくてなかなかピークを更新しない場合、その時を想像すると恐ろしいよ。目安はあるの?
これは状況によるので難しい。例えば相場がトレンドの時に儲かる手法だと、トレンドのない時の成績は芳しくないからね。単一の手法だけで全てを判断してはいけないんだ。この話はいずれするよ。
「ストーリーのあるエッジの効いた手法」、「数字の信頼性」、「数字の見方」、だいたい分かったよ。
Goodだ!キーウィ。それじゃ、僕は次回までに手数料込みの損益グラフと、サンプルを増やした損益グラフを用意してくる。キーウィは今日覚えた注意点を一覧にしてきてくれ!
分かったよ、プケコ。もっと全てを疑うように努力してくるね。
(あらあら。疑うことを知らなかったキーウィが、こんなことを言い出すなんて・・・。成長したな!次回が楽しみだ!)
<今日の名言:プケコ>
・キーウィの一番ダメな態度は、この数字を前提として思考を開始したことさ!まず、この数字が正しいのか疑うことから始めないと。
・事象に対しての正しい態度は、「気づかない<気づいて憤慨する<気づくが口に出さず手札にする」に決まってるだろ。
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