キーウィとプケコの金融投資講座 手法構築編⑤ 人生のポートフォリオ(ポートフォリオによるリスク低減)
Hi!キーウィ。個という存在に意識を持ってしまった僕たちはポートフォリオを組んでリスク分散することができない、なんて不完全な存在なんだろうね!
あ、プケコ。でも、種というパースペクティブで見れば、きっちり分散されているからいいんじゃないの?そりゃ、現代社会に馴染まないフィーチャーを持って生まれた存在は不運だけど・・・。そんなことより、話を進めようよ。
おっと、そうだったキーウィ。今日はポートフォリオを組むことでリスクがどのように変化するのか見ていく。安定して収益を築くために必須となる大事な話だ。てんぷら職人における油みたいなもんさ!
(・・・てんぷら?)
まず、いつもの図だ。
高値をブレイクしたら買う単純なロジックだったね。手数料負けしちゃうけど。
そうだ。そしてこのグラフの単位損益を集計したのが以下の図だった。
1株あたりの単位損益だから、さっきの図のちょうど100分の1だね。このような分布を正規分布と呼び、1標準偏差のレンジに68%の発生確率が約束されているんだったね。
そうだ。そして、以下が新しい図。トヨタ株を空売りする手法だ。空売りが分からない場合は、いつも通り検索してくれ。
前場後場がそれぞれ1だから、n-2、つまり、場2つ前が高値ブレイクしたら空売りし、引けで買い戻す逆張り手法だね。なんだ、買いより上手く積みあがっているよ。良いんじゃない。
いいぞ、キーウィ、その通りだ。これは前回の順張り手法と真逆の戦略だ。これも1株あたり単位損益で各取引を分解すると、以下の図のようになる。
前回のおさらいだね。やっぱり正規分布になるんだ。すごいなあ。ポートフォリオを組むってことはこれを組み合わせるんでしょ。
フフ、その通りさ。ということで、上記2つの買いと売りの手法を同時に運用したら、平均損益と標準偏差はどうなると思う?
うーん、単純に考えればこうでしょ。
フフフフ、ところがびっくり!まるで、寿司屋に行ったらてんぷらが出てきたときのように驚くべきことよ!実際はこうなる。
えーっ!?平均損益はまあ2つの間くらいだから良いとしても、標準偏差は単一の手法よりも下がってシャープレシオが上がったよ!何これ!ずるいよ!!
フフ、キーウィ。これがポートフォリオを組むことによる魔法だ。そしてこの魔法は2つの手法が相反する性質なものほど魔力を発揮する。まるで寿司とてんぷらが奏でるハーモニーのようにね。
・・・例えはよく分からないけど、この現象はとんでもない可能性を感じるよ。だって、ただ組み合わせれば組み合わせるほどリスクである標準偏差が下がるんでしょ。
そうだ。相関係数が小さいほど効果を発揮することに留意は必要だけどね。
相関係数がマイナス、つまり、グラフが正反対の動きをする場合、標準偏差がより下がることになるってこと?
Yep!リスクとは分散だ!散らばることがリスクだ!ある手法が上のとき、逆相関を持つ手法は下の確率が高い。2つが影響し合って散らばりが小さくなり標準偏差が下がる訳さ。
確かに、買い手法と売り手法のグラフは上下逆に鏡に写したように見えなくもないね。そして、合計グラフはより線形に積み上がっていく。
各取引ごとに分解してみると以下の分布になる。逆の値を持つ買いと売りが同時に発生するなら、打ち消しあって平均に近づいた値となることが見て取れるだろう。
手法合計の緑のグラフは平均にぐっと寄ってるね。逆相関があるということは、例えば、赤いグラフで右のとき、青いグラフでは左に発生しやすいってことだよね。確かに打ち消しあって真ん中に寄るのか・・・。標準偏差が小さくなることも頷けるよ。
そうだ。キーウィ。そして今日までの内容で、すでに僕たちは安定的に収益を積み上がる手法を構築できる。この講座もいったん区切りさ。
いきなりだね。・・・うーん。概要は分かったけど実際に儲かる手法を作れるかな。
フフ、出来るさ!キーウィ。いつだって人生はそう、やるかやらないか、それだけの問題さ。実例を示そう。これは実際に僕が運用している手法のグラフだ。
日単位の平均損益は6,184円、標準偏差は17,989円だ。そして、それぞれの手法を分解するとこうなる。
・・・プケコが出来るなら僕だって出来るかな・・・。うん、なんだか勇気が出てきたよ。僕だってきっと手法を作れる!手法を作ることを通して、誰かが作った仕組みに翻弄される人生から脱出するんだ!
いいぞ!キーウィ。実は手法より大事になってくる資金管理という問題があるんだけど、まあ、それは今度でいいだろう。まずは何個か手法を作って組み合わせてみるんだ。
エッジが効いたストーリーのある手法。標準偏差、シャープレシオ、相関係数。全部僕の味方なら勝てないはずないね。美味しいもの食べ放題のために、頑張るぞ!
フフ、ポートフォリオを組んでリスクを下げる。僕は人生もこう在りたいと考えている。もちろん、違う生き方や価値観も尊重する。ただ、財産を円という一国の通貨に現金という形で全て注ぎ込むのはどうかと思うけどね。
金融投資講座を学校で教えてくれれば良いのにね。みんな、お金をどうしたら良いか分からないんだよ。だから、銀行に預けることで安心を得てるんだ。
僕からすると理解不能だけどね。それなのに、トラップリピートなどのハイリスクな手法に飛びついたりすることもあって、ますますよく分からない。
僕はその気持ち分かるなあ。とにかく、興味があるけどやり方が分からないんだ。だから、安全や簡単などという謳い文句に流されちゃう。NISAとか、まさにそうでしょ。
なるほどね。キーウィ。本当に成長したね。しっかりと自分の頭で考えて判断できるようになったじゃないか!
ありがとうプケコ!じゃあ、早速、自分だけの手法を構築してくるよ。それじゃ、bye☆
・・・・・・。
これを読んだうえで進むべき道しるべとなる本を紹介しそこねてしまった。僕の礎を築いた大切な本だ。
・・・・・・まあ、いいか。
・・・・・・さて、てんぷらでも食べるか。
第二部・手法構築編 完
(お疲れ様!プケコのおすすめの本は下で紹介しておきます。みんなも、キーウィに負けないよう頑張ってね。それじゃ、bye☆)
<今日の名言:プケコ>
・いつだって人生はそう、やるかやらないか、それだけの問題さ。
・フフ、ポートフォリオを組んでリスクを下げる。僕は人生もこう在りたいと考えている。
- 作者: ブレント・ペンフォールド,長尾慎太郎,山口雅裕
- 出版社/メーカー: パンローリング
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- 作者: 今井雅人,システムトレード研究チーム
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